クレジットで支払った場合はどうなるの?
クーリングオフは期限内に出来た場合や中途解約などで商品などを現金でなくクレジットで支払した場合にこのクレジットやローンはどうなるのでしょうか?
支払停止の抗弁権(抗弁の接続)
クレジットやショッピング・ローンを利用して分割払いで商品等の購入契約をした場合、購入者である「あなた」と「販売店」、「販売店」と「クレジット会社」、「クレジット会社」と「あなた」という3つの契約関係が存在することとなります。これら3つの契約は、それぞれ別個の契約となります。
販売店は、クレジット会社からあなたの購入代金を一括で支払ってもらい代金の回収をします。
代金を立て替えたクレジット会社は、あなたから毎月分割して代金を回収してその利息分を儲けることになります。
このような仕組みが悪用され、デート商法など数々な悪徳商法に利用されています。
そこで割賦販売法30条の4ではクレジット契約で商品などを購入したが、その商品が届かなかったり、商品に欠陥があったりした場合には、購入者は、販売会社に対してクーリングオフや商品の引渡し、交換、修理を要求できるのは当然ですが、クレジット会社に対しても、販売会社に対して主張できる権利と同じ理由で、割賦代金の支払いを停止することができるように規定されています。
この権利を支払停止の抗弁権といいます。
1.支払い停止の抗弁が主張できる場合
- 2ヶ月以上の期間にわたる3回以上の分割払いによるクレジット契約であること
- 割賦販売法の定める指定商品・指定権利を購入するか、指定役務の提供を受けたこと
- 販売会社に対して抗弁事由があること
- 支払総額が4万円以上であること(リボルビング方式の場合は3万8000円以上)
- 購入者または役務の提供を受ける者にとって商行為とならないこと
2.販売業者に対する抗弁事由とは
- 売買契約が成立していない場合
- 商品が届いていなかったり、商品に破損、汚損、故障、その他の瑕疵がある場合
- クーリングオフを行使して売買契約を解除できる場合
- 詐欺・強迫などにより売買契約の取消しができる場合
- 未成年者、成年被後見人などの売買契約で取消権を行使できる場合
- 錯誤、公序良俗違反によって売買契約が無効となる場合
- クーリングオフで売買契約を解除できる場合
- 特定継続的役務の中途解約による支払停止の場合
上記のように販売業者に対し「抗弁事由」がある時に主張できます。
3.支払停止の抗弁権行使の効果
消費者は、クレジット会社に対して支払停止の抗弁権を主張することにより、販売会社との問題が解決するまでの間、クレジット会社の支払請求を拒絶することが可能となります。
またその間は、個人信用情報機関に登録(いわゆるブラックリスト)されることはありません。
売買契約の解除、取消、無効などが認められた場合、信販会社は既払のクレジット代金を消費者に返還する義務を負うことになります。
4.支払停止の抗弁権行使のやり方
クレジット会社に支払停止の抗弁権を主張ができる場合には、販売業者との間でトラブルが生じたため、トラブルが解決するまではクレジット代金の支払いはしませんという事をクレジット会社に対し書面で通知を出して、支払いを止めます。
この時の書面は、国民生活センターも言っているように内容証明郵便にすれば確実です。
また、クレジット会社の支払いが、銀行の自動引き落としになっている場合は、それを止める手続きもとっておく必要があります。この自動引き落としを止める場合は、各金融機関に相談してください。